安曇野ワイナリー

誕生物語

安曇野の地に根付いて7月のグランドオープンを目指す

4月1日に開業祭を行なった安曇野ワイナリー。同23日には醸造免許も交付され、正式にワイン醸造所としての歩みが始まった。ぶどう畑も整備が進み、あとは施設の完成を待って7月にはグランドオープンを迎える予定だ。

かつて松林があった場所に開墾されたぶどう畑には3000本の苗が植えられた。粘土質の土壌を改良するため、ダムの堆積砂が一面に敷かれ、畑一帯は砂浜のような眩しさだ。植樹されたぶどうの若苗は安曇野の風に触れ、やわらかな葉を伸び伸びと広げている。その向こうではワイナリーのセンターハウスとなる建物の建築が進む。全体を眺めてみると周辺の山容と雑木林、ブドウ畑、建物の景観は実にしっくりと馴染んでいる。

梅雨の走り、朝方までの冷たい雨があがった日、安曇野ワイナリーを訪ねた。事務所には建築や外構工事の采配をふるい、開業準備に追われる小林龍義取締役支配人の姿があった。早回しの映画のように整っていく施設を見渡しながら、支配人の口からは「青い空と深い緑、北アルプスから吹く風、そんな安曇野の特色を大切にしたいと、あらためて思いました」と、極めて直球な言葉がポツリともれた。「このワイナリーを創業するにあたり、オーナーの樫山宏社長(樫山工業代表取締役)とさまざまな場所を視察しました。個性豊かなワイナリーを訪ねるなかで、僕らが魅力的だと思った場所はすべて、その土地の自然景観を上手に生かしたデザインと風土を生かした営業スタイルでした。この場所に出会ったからには、安曇野という魅力が最大限に生きるワイナリーにしたいと考えています」と、ワイナリーの存在価値の原点ともいえるビジネススタイルを再確認したという。目指すは『観光と醸造を上手に組み合わせたビジネス』小林支配人の視線の先に、ワイナリーを核にした観光発信力の可能性が力強く見えてきた。

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この記事は(株)まちなみカントリープレス出版のKURAに掲載されたものです。